白神 高倉森縦走
8月13日(月) 天気 今日も晴れ 暑そう~っ
12日、13日とブナの里白神館に泊まりました。
拠点であるANMONまで車で30分くらいのところにあります。
豪華な食事ではありませんが、おいしくて量もちょうどよく、すべてきれいに平らげました。
今日は津軽峠(標高650m)から高倉森(標高829m)を通りANMON(標高240m)への急坂を降りていくという、5.6キロを4時間位かけて高倉森自然観察歩道を歩くコースです。
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自然観察歩道といっても、整備された道ではなく、個人で歩くのは危ないらしいので、ガイドさん付きのツアーに参加しました。
私らはガイドさん1人に同じような年代の大人6人、小学生2人のグループです。
バスで砂利道の白神ラインを約30分かけて、まずは津軽峠まで登っていきます。
津軽峠から徒歩3分くらいの所に、白神のシンボルである「マザーツリー」があるので、それを見るだけの目的の人も多く、バスは満員でした。
結構バスで登ってきても、標高650m位ではちっとも涼しくなく、津軽峠も何と暑いこと!!
ここから、ぞろぞろ皆マザーツリーに向かいます。
マザーツリーは推定樹齢400年、幹周り4.7mのブナの巨木です。
普通ブナの樹齢は200~300年なので、かなりの年寄りの樹ですが、枝ぶりもしっかりしているし、葉も生き生きしていて、まだまだ元気です。
しかし大勢の人に根元を踏み固められ、弱ってきそうなので、樹の周りに見学台が設けられていました。
そういえば屋久島の縄文杉の所もそうでした。
ここから先はブナの原生林の中、藪の道を歩いていきますので、格好も、しっかりとした山歩き姿でなければなりません。
私も昨日の事があるので、靴ひもをしっかりと結び、ひっかけないようにしました。
ウルシの木もたくさんあるので、なるべく長袖がよいと言われました。
半袖しか着ていないおじちゃんでしたが、小さい頃ウルシにかぶれてひどい目にあった事があるらしく、雨具の上着を着始めました。
うわっ、見るだけで暑そう!サウナスーツを着てダイエットかい?
本人曰く 「ウルシにかぶれるよりましだ」
ガイドさんは30代後半くらいの男の方でした。
「私に付いてきて下さい」とドンドン速いペースで山道を登って行きます。
遅れてはいけないと、ガイドさんの後ろを必死に追いかけます。
太いブナや、ミズナラなど、まさに人が手をかけていない森が広がります。
奥へいくほどにマザーツリーに匹敵するような大きなブナの樹がたくさんありました。
山の中は樹の枝葉で太陽が遮られるので、焼け付く暑さではありませんが、汗がどんどん吹き出します。
ペットボトルの水がどんどん減っていきます。
ましてサウナスーツを着たようなおじちゃんときたら‥
それぞれ500mlのペットボトル3本もってきたけれど大丈夫かねぇ。
暑いので、遭いたくないクマも、会いたいクマゲラも姿を現しません。
居るのはうるさいくらいのセミとハチ。
クマの爪あとはありました。
ブナの樹にしっかり付いていました。
高倉森の頂上を過ぎたあたりでお昼になりました。
ガイドさんと少しお話をしました。
このガイドを業としていらっしゃるのかとお聞きしたら、さすがに半年雪に埋もれている土地柄、それでは生活できないので、皆、他の仕事の合間にガイドの仕事をしているようです。
この方は六ヶ所村の核燃料再処理施設のエンジニアで、夏休みを利用してガイドをしていっらっしゃるようでした。
ガイドで生活できればいいんだけど‥ってボソッと一言。
きれいな標準語を話していたので、地元の方ではないのかな、と思って聞いてみたら、バリバリの津軽弁が返ってきました。
あら~、懐かしい。
私は津軽弁をうまくしゃべれませんが、若い人がしゃべるのはわかります。
そういえば、久しぶりに青森に来たのにまともに津軽弁を聞いていません。
ガイドさん曰く、皆まともにしゃべっても通じないので観光客には津軽弁はあまり使わないようにしていて、上手に使い分けている、との事でした。
ちょっぴりつまらなかった‥。
でもたまに地元どうしの人が話すのが聞こえると懐かしくなり、自分のイントネーションが時折津軽弁に変わっているのに気付いた時、ああ、青森に来ているんだな、と思いました。
おじちゃんといえば、サウナスーツのような雨具の袖の中がチャポチャポ音がしていると言って脱ぐと、ザーッと汗が雨水のように出てきました。
Tシャツも脱水前の洗濯物のようでに、汗がダーっと絞れました。
脱水症状にならないように、水をたくさん飲んだからと本人は言うが。という事は‥‥
おじちゃんは道半ばにして、ペットボトル3本のうち2本を開けてしまったのです。
この山道、下まで水場はありません。
私が飲んでいる水をネタマシソーに見ています。
いいよ、少しあげるよ、と言ったら、勢い良くガブガブ飲んでるじゃないの!
こら!!やめろ~!
まるで砂漠の水争いです。
さすがに再びサウナスーツを着る気にならなくなったらしく、あとは半袖で歩くようです。
ここから先、ウルシの木や藪がもっとすごいのに‥。
ファザーツリーです。マザーツリーよりもさらに古い樹です。
原生林の中の大きな洞のある苔むした樹。精霊が宿りそうです。
屋久杉を思い出しました。
こんな樹は、ほとんど人が入れない白神山地の核心地域にはたくさんあるのでしょう。
そして、寿命を終えて倒れた樹のあとに、ぽっかりと空が広がり、日当たりの良くなった地面には小さなブナの新しい命が成長を始めていました。
ここから先は樹なんぞ見ていられません。
これから2.5キロほどの熊落としと呼ばれる急坂を降りて行きます。
笹で隠れているものの、杖でめくって覗いてみると、細い道の両側は崖です。
危ない所はガイドさんが身を挺して、守ってくれていますが、高所恐怖症で脚力の足りない私は、張られているロープや、樹の枝につかまりながら、一歩一歩やっと降りて行きました。
いっしょの小学生はいとも簡単にサッサと降りていきます。
昨日転んでおいて良かった。ここで靴ひもをひっかけて落ちたら、無謀な中高年ってニュースになるところだった‥。
やっと駐車場まで降りてきた時には足がパンパン。1.5Lの水も飲み尽くし、やっとありついた自販機のポカリを一気に飲み干したのでした。
おじちゃんも心配したウルシは大丈夫だったようです。
私もおじちゃんもパンツまで汗びっしょりです。
おじちゃんが、靴の中がポチャポチャいっていると言って、脱いで逆さまにしたら、ザーッと水が出てきました。
何で靴の中に水がたまるの?? 汗です!汗!
かいた汗が靴下を伝わって、靴の中にたまっていたようです。
おじちゃんの財布の中のお札も汗でグシャグシャです。
そういえば縄文杉に行った時、雨でパンツから財布のお札までびしゃびしゃでした。
あの時はちょっと自慢げに、「縄文杉で雨に遭って、お札が濡れちゃった、ごめんなさい」と言えましたが、さすがに今回は「ごめんなさい、汗でびしょびしょなの」なんて言って出したら嫌われそうなので、宿に戻って、密かにドライヤーで乾かしてから、さりげなく出したのでした。
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